APCO-25、略してP25とか言ったりしますが、これはアメリカの公共デジタル無線の規格で、秘話がかかっていなければ受信できます。
日本の政府機関などでも使われているようですが、ほぼ秘話付のようです。
在日米軍も使っていますが、秘話がかかっていない通話もそこそこあります。
このP25をトランキング受信する方法について日本語で解説したサイトはありませんし、自分も設定でかなり苦労したので、P25を受信するほかの誰かのためになればと思い設定方法を書いてみました。
設定についてはBCD436HPのメモリ編集ソフトBCD×36HP Sentinelを使います。
新しいFavoritesListsの作成
Sentinelを起動させると上のような画面が出るので、☆マークをクリックしてFavoritesListsの新規作成画面に進みます。
すると下のダイアログが出てきます。
今回は新しくリストを作るので「NewFavoritesLists」をクリック。
システムの作成
FavoritesLists内に新しいSystemを作ります。「SystemName」はお好きなものを。
「SystemType」は
- P25 Trunk
- P25 X2-TDMA
- P25 One Frequency
- Motorola
- EDACS
- LTR
- Conventional
といろいろあって訳が分かりませんが、いろいろ試した結果「P25 Trunk」が正しいようです。
ちなみにP25 One FrequencyやP25 X2-TDMA、Conventionalでも受信できることはできます。
Sitesとオプションの設定
システムの作成が終わると、上のような画面になります。それぞれのタブは
- Department(トークグループID(TGID)の編集)
- Sites(周波数の編集)
- Units IDs(個別ID(UID)の編集)
- Option(オプション設定)
という意味です。
とりあえずやらないといけないのはSitesを新規で作ることと、オプションの設定を一部変えないといけません。
Departmentは最初は作らなくてよいです。
Sitesの設定
Sitesのタブから「+」を押して新規Sitesを作りましょう。
「Site Name」は適当な名前で。
左側のカラムにさっき作ったSitesが出てくるので、それを選択します。
Sitesの編集画面になるので、「+」を押して制御チャンネルの周波数を入力します。
常にザーザーいってる周波数が制御チャンネルです。それ以外の通話チャンネルは登録する必要はありません。
オプション設定の変更
「ID Search」がなぜか初期状態でオフになっているので、これを必ずオンにしないといけません。
オフだと、Departmentに登録したIDのみを受信するようになるので、何も登録していない状態だと永遠に受信できません。
ほかの項目はいじらなくて大丈夫です。
完了!
これで設定は終わりです。あとはこのデータをBCD436HPに流し込んでスキャンさせるだけです。
ちゃんと電波を受信できていれば、以上で復調できるはずです。
その他の設定
Departmentについて
Departmentはグループ毎のID(TGID)を登録するものです。
これらは当然受信していかなければ分かりませんから、最初は何も入力しようがありません。
聞くにつれてなんとなく分かっていくので、都度分かったIDに名前をつけていきます。
TGIDに名前を付けて登録しておくと、受信した際に数字ではなくて名前が表示されるため分かりやすくなります。
また、重点的に聞きたいグループがあれば優先的に受信できるようにしたり、受信時にLEDを点滅させたりアラートトーンをならしたり、逆に聞きたくないグループのみスキップするようにすることもできます。
私はどちらかというとスキップ用途で使うことが多いです。
TGIDの例。「ChannelName」に名前、「TGID」が5ケタの数字、Avoidでスキップしたり、P-Chでプライオリティ指定できたりします。
ユニットIDについて
ついでなのでユニットIDについても説明します。こっちは個別ID(UID)で、個別局ごとのIDです。
こちらも受信していかないとメモリのしようがないので、初期段階ではほっておいて大丈夫です。