帯域と周波数ステップ
無線には周波数ステップというものがあります。例えば、AMラジオは9kHzごとに周波数が割り当てられています。FMラジオは100kHzです。業務無線では6.25~100kHzあたりがよく使われています。
このようにさまざまな周波数ステップがあるのは「帯域」が関係しています。無線は割り当てられている周波数ドンピシャだけを使うのではなく、その前後の周波数も使用しています。例えば、アマチュア無線の145.0MHzは145.0MHzの前後15kHzも使っています。そのため、145.0MHzを使っている際に、145.1MHzなどを使おうとすると両者が混信します。
このような混信が起きないように各周波数の間にとられている間隔が周波数ステップです。主な受信モードで使われている周波数ステップを紹介します。
FM
FMでは、12.5kHz、15kHz、20kHz、25kHzあたりが使われています。60MHz帯は15kHz、150MHz帯は20kHz、150~160MHzの国際VHFは25kHz、300~400MHzは12.5kHzです。
機種によってはFMに「FM-N」モードが用意されていることがありますが、12.5kHzの場合にFM-Nにするとよいでしょう。
AM
AMで使われているのは25kHz、50kHz、100kHzあたりです。VHFの航空無線は25kHz、UHFの航空無線は100kHzが主ですが、25kHzも使われています。
SSB/CW
SSBやCWにはステップという概念はあまりなじみません。例えば船舶無線ではSSBは3kHz、CWは0.5kHzごとに割り当てられていますが、基本的にHFを受信する際はダイヤルをグルグル回して受信しますし、外国局などはイレギュラーな周波数に出てくることもしばしばあるからです。
デジタル
デジタル方式が積極的に導入されたのは、アナログよりも狭い帯域で通信ができるという点が売りでした。DCRやNXDNは6.25kHzが使われています。一方で、DMRは12.5kHz、TETRAは25kHzが使われています。帯域が広くとられているものは、同時に2局が使える仕組みになっています。